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目の病気一覧

白内障(はくないしょう)

白内障は加齢に伴う生理的変化のひとつ。
手術によって改善し、近視や乱視の矯正も可能です。

白内障とは、カメラのレンズに相当する目の中の水晶体が濁っていく病気で、様々な症状を引き起こします。

原   因

主な原因は加齢です。50代以降徐々に進行していきます。他の要因としては、アトピー性、外傷性、薬剤性(ステロイド等)などが引き金となって、若年で起こるタイプの白内障もあります。

症   状

一般的には下記の順で症状が進行し、最終的にメガネをかけても視力が改善されなくなります。
  1. まぶしい
  2. かすむ
  3. 矯正視力低下

治   療

改善を目的とした場合、手術が唯一の治療法となります。点眼薬は白内障の進行を遅らせることはできても、改善させることはできません。

手術のタイミング

メガネをかけても生活に支障が生じた時点で、医師の説明を受けることをおすすめします。症状の程度によって、最終的にはご本人の意思で決断することが重要です。

眼内レンズ

水晶体の代わりに目の中に挿入するレンズのことです。手術を受ける方の目の状態やライフスタイルに合わせて、球面・非球面、乱視矯正、多焦点眼内レンズの中から最適なものをお選び頂けます。
 
※意外と知らない方がいらっしゃいますが、白内障手術は視力矯正手術でもあります。そのため強度の近視や遠視、乱視の方でも眼内レンズで矯正することで、裸眼生活ができるようになります。メガネと同じく単焦点レンズでは老眼が残りますが、多焦点眼内レンズを使えば老眼も改善させることができます。

安 全 性

白内障手術はこの20年で医療技術の進歩・機械の開発により、飛躍的に向上しています。その結果感染症など手術の合併症はかなり軽減し、比較的安全に受けて頂けるようになりました。とはいえ目の状態により手術の難易度は変わります。詳しくは医師にご相談ください。

緑内障(りょくないしょう)

何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧(眼の硬さ)の上昇がその病因の一つと言われています。
40歳以上の日本人の17人に1人が緑内障といわれています。
ただ、最近は眼圧が正常であっても視神経が障害される「正常眼圧緑内障」がかなり多いことがわかっています。
緑内障には詳しく言うと、いろんなタイプのものがありますが、大きく分けて「急性」のものと「慢性」のものがあります。
急性のものは突然、眼痛や頭痛が起こりますが、慢性のものはほとんど自覚症状がなく、進行してかなり視野の狭い状態になって初めて眼科を受診される場合も多くあります。

検   査

緑内障の検査としては、「眼圧検査」「眼底検査」「視野検査」などがあります。 これらの検査を総合して緑内障かどうかを診断し、また治療方針を決定します。

治   療

治療法としては、まず眼圧を下げることが重要です。眼圧を下げることができれば、進行を防止したり、遅らせたりすることができる可能性があります。正常眼圧緑内障でも、眼圧をさらに下げることで進行を遅らせることができる可能性があります。

ただし、一度障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。また、どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もあります。しかし、早期に緑内障を発見し、まだ視神経の障害が軽いうちに治療を始めることができれば、失明に至る危険性は少なくなります。その方法として、薬物療法(目薬・飲み薬)・レーザー治療・手術がありますが、すべての緑内障に対して同じ治療効果があるのではなく、緑内障のタイブやそれぞれの人に適した治療方針を決定してゆくことがとても重要です。当院では緑内障の検査機器をそろえております。40歳以上の方は、自覚症状がなくても年に一度の検診をおすすめします。

近視、遠視、乱視(きんし、えんし、らんし)

眼は光を屈折させるレンズの役割をする組織で多く構成されています。なかでも角膜と水晶体は光を屈折させる力が非常に大きい組織です。
また、水晶体の周りの筋肉は水晶体の屈折力を状況に応じて変化させる役割(調節)を担っています。
特に、近くのものを見ようとするときは、屈折力が大きくなるよう水晶体の厚みが増加します。私たちの目はこのような調節を自動で行っています。

近   視

調節をしていない状態で、光(平行光線)が網膜より前に焦点を結んでしまう状態です。(図1)
遠くのものを見たときは網膜に焦点が合わないのでぼんやりしていますが、近くにあるものに対しては焦点を合わせてみることができます。

遠   視

調節をしていない状態で光(平行光線)が網膜より後ろで焦点を結んでしまう状態です。(図2)
遠くのものも近くのものもはっきりと見ることができません。角膜や水晶体の屈折力が弱いために起こる遠視と、眼球の長さが短いために起こる遠視とがあります。

偽 近 視

俗に「仮性近視」と呼ばれるものです。何らかの原因で調節が過度に働いたままの状態になってしまっているものです。正視、遠視、近視のいずれでも起こり得ます。

乱   視

乱視の原因は主に角膜と水晶体の歪みによるものです。

老視(ろうし)

老視とは、遠くを見たり近くを見たり、自由にピントを変える力が衰えることによって起こるもので、近くのものを見る際に困難をきたした状況をさします。昔から俗に「老眼」と呼ばれています。

調節力の変化と
症状

眼は光を屈折させるレンズの役割をする組織で多く構成されています。なかでも角膜と水晶体は光を屈折させる力が非常に大きい組織です。水晶体の周りの筋肉は水晶体の屈折力を状況に応じて変化させる役割(調節)を果たしており、特に、近くのものを見ようとするときは屈折力が大きくなるよう水晶体の厚みが増加します。私たちの目はこのような調節を自動で行っています。
若い人ほど調節力(調節の幅)が大きいのですが、この力は加齢(老化)とともに衰えてきます。

斜視、弱視(しゃし、じゃくし)

斜視とは

斜視とは、物を見ようとする時に、片目は正面を向いていても、もう片目が違う方向を向いてしまっている状態が斜視です。片目が正常な位置にあるときに、もう片目が内側に向いてしまっている状態を内斜視、外側に向いてしまっている状態を外斜視、上側に向いてしまっている状態を上斜視、下側に向いてしまっている状態を下斜視といいます。

原   因

斜視の原因としては、
・目を動かす筋肉や神経の異常によるもの
・遠視によるもの
・目の病気によるもの
・脳の病気によるもの
・全身の病気に伴うもの
などがあります。
ほとんどは目を動かす筋肉や神経の異常によるものや遠視によるものです。
斜視の原因を探るために、全身検査を行ったりMRIなどの検査を行ったりすることもあります。

弱視とは

弱視とは眼鏡をかけても視力が上がらない状態のことをいいます。弱視になる原因のひとつに斜視があります。斜視があると、ものが二つに見えたり、ずれた側の目でみる像がぼやけて見えるなどの理由により、お子さんが無意識のうちにその目を使わなくなって視力の発達が妨げられてしまいます。

治   療

斜視の種類や年齢に応じて治療法は異なりますが、まず一番大事なことは両目の視力をよくすることです。
斜視ではずれている方の目が弱視になっていることがあり、これをメガネなどで改善してあげることが斜視治療の第一歩です。次に手術治療を考慮することになります。

ドライアイ

涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。 現在、日本では1000万人ものドライアイの患者さんがいるといわれています。

症   状

目の乾燥感が主な症状ですが、
その他、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど様々な症状が現れます。

原因や誘引

  • 過度のVDT作業:パソコンなど、モニターをみつめる作業を長時間行うことなど
  • 乾燥した空気、部屋
  • 加齢:年を重ねると、特に女性では涙の分泌量や質が低下します
  • 全身の病気に伴うもの:膠原病、シェーグレン症候群など
  • 内服薬:血圧を下げる薬や精神疾患に用いられる薬で、涙の分泌量が減少することがあります
などが挙げられます。

治   療

症状が軽い場合は点眼薬で緩和させることができます。
それでも改善しないときは、涙の出口(涙点)に栓をして(涙点プラグ)、涙の生理的な排出を人為的に遮断するような治療を行うこともあります。
また、目の保湿を図るためにさまざまな工夫が試みられています。

飛蚊症(ひぶんしょう)

黒い点や虫のようなもの、または薄い雲のようなものが視野の中に見えたことはないでしょうか。視線を動かしたとき、それが一緒に移動するように感じることもあります。このように、視界にごみや虫のようなものが飛んでいるように見える症状を飛蚊症と呼びます。
これは主に加齢(老化)に伴う現象ですが、近視の人では年齢が若くても自覚することがあります。
生理的なもので問題のない場合がほとんど(生理的飛蚊症)ですが、時に重大な病気の前駆症状であることがあります。

生理的飛蚊症

眼球内には卵の白身に似たゼリー状のものがつまっています。これを硝子体と呼びます。
この硝子体は99%以上が水分で、わずかに線維を含んでいますが、年齢に伴い線維と水分が分離して中に空洞を形成します。それがさらに進行すると眼球の内壁から硝子体が離れて、線維の塊が眼球内をふわふわと浮いた後部硝子体剥離と呼ばれる状態になります。

最 新 治 療

軽度の生理的飛蚊症は通常放置しますが、視界の真ん中に大きく浮遊するタイプは時に生活に支障を与えます。
そうした飛蚊症に対し専用のレーザー装置にて消し去ることが可能となりました。

飛蚊症を自覚する
重大な病気

飛蚊症を自覚しても問題のない場合がほとんどですが、なかには次のような重大な目の病気の一症状であることがあります。

  1. 網膜裂孔・網膜剥離
    網膜に穴が開いてしまったり(網膜裂孔)、網膜が剥がれてしまった状態(網膜剥離)では、しばしば飛蚊症を自覚します。
  2. 硝子体出血
  3. ぶどう膜炎
    時として、飛蚊症は治療を必要とする病気が原因となって生じることがあります。
    もし飛蚊症を自覚したら、まずは眼科医による詳細な眼底検査を受けることをお勧めします。

VDT症候群、眼精疲労(VDTしょうこうぐん、がんせいひろう)

眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。

原   因

目になんらかの問題があって発生することが多いのは言うまでもありませんが、その多くは度の合わない眼鏡を使用していたり、老視(老眼)の初期などで無理な近業作業を行った場合などです。緑内障や白内障でも眼性疲労が出現することがあり注意が必要です。
最近は、特にパソコンなどを使用する機会(VDT作業)が増えたため、これが原因の眼精疲労が増えています。
その他、全身疾患に伴うもの・心因性のもの・環境によるものなど、眼精疲労をもたらす要因は非常に多岐にわたっています。

治   療

原因を特定し、それが発見されれば排除することが必要です。眼鏡が合わない場合は作り直したり、目の病気が発見されれば治療したりします。パソコンを使用する機会の多い人は、適度な休息を取りながら行うことが非常に大切です。
眼精疲労に特効薬はありませんが、新しいドライアイ点眼薬や内服が有効である場合があります。

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

麦粒腫とは、俗に「ものもらい」と呼ばれている病気で、原因は細菌感染によるものです。汗を出す腺や、まつげの毛根に感染した場合を外麦粒腫、マイボーム腺の感染を内麦粒腫と呼びます。

症   状

初めはまぶたに局所的な赤みが出現し、しばしば軽度の痛みや痒みを伴います。炎症が強くなってくると、赤み・腫れ・痛みが強くなります。化膿が進むと、腫れた部分が自然に破れて膿が出ることがあります。膿が出てしまえば、その後症状は回復に向かいます。

治   療

抗生物質の点眼や内服を行います。
化膿が進んだ場合は切開して膿を出すこともあります。
汚い手で目をこすったりしないよう注意が必要です。

ウイルス性結膜炎(うぃるすせいけつまくえん)

結膜とは、上下のまぶたの裏側と白目(強膜)の表面を覆っている半透明の膜です。血管が豊富で、また免疫反応を司るリンパ組織もあります。結膜は直接外界と接しているので、いろいろな病原物質にさらされやすい環境にあります。

ウイルス性結膜炎とは、ウイルスが感染することによって起こる結膜炎です。結膜が充血し、目やに(眼脂)が出たり、目の痛みや異物感などを主な症状とする病気です。原因ウイルスには、アデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルス・ヘルペスウイルスなどがありますが、ヘルペスウイルス以外のウイルスが原因で発症した結膜炎は、他の人に感染させるカが強く、時に角膜に点状の混濁が残り視力低下の要因になることもあります。

種   類

  1. 流行性角結膜炎
  2. 咽頭結膜熱
  3. ヘルペス性結膜炎

治   療

ヘルペス性結膜炎以外のウイルス性結膜炎に対しては、今のところ残念ながら特効薬はありません。感染したウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありません。通常、炎症を抑え、細菌による二次感染を防止するための目薬を使用します。角膜に点状の混濁がみられた場合はステロイドの点眼を数か月から半年ほど使用することがあります。ヘルペスウイルスには抗ヘルペスウイルス作用を持つ眼軟膏を用います。また症状によっては抗ウイルス薬の内服や点滴治療を併用することもあります。

感染予防

ウイルスによる結膜炎と診断されたら、周囲の人にうつさないように注意しなければなりません。
他人へ感染させる恐れのある期間は、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱では約1〜2週間、急性出血性結膜炎では3〜4日です。ウイルスは目をこすった手や目を拭いたハンカチなどから感染することがほとんどです。
感染を予防するにはよく手を洗うことが重要です。また目を拭くときはティッシュペーパーなどの使い捨てのものを使い、タオルなどは家族と別のものを使ってください。お風呂は最後に入るようにしましょう。

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつで、我が国では成人の失明原因の第一位となっています。
網膜は眼底にある薄い神経の膜で、ものを見るために重要な役割をしています。網膜には光や色を感じる神経細胞が敷きつめられ、無数の細かい血管が張り巡らされています。血糖が高い状態が長く続くと、網膜の細い血管は少しずつ損傷を受け、変形したりつまったりします。血管がつまると網膜のすみずみまで酸素が行き渡らなくなり、網膜が酸欠状態に陥り、その結果として新しい血管(新生血管)を生やして酸素不足を補おうとします。新生血管はもろいために容易に出血を起こします。また、出血すると網膜にかさぶたのような膜(増殖組織)が張ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。
糖尿病網膜症は、糖尿病になってから数年から10年以上経過して発症するといわれていますが、かなり進行するまで自覚症状がない場合もあり、まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。糖尿病の人は日の症状がなくても定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けるようにしましょう。

分   類

進行の程度により大きく三段階に分類されます。
  1. 単純糖尿病網膜症
  2. 前増殖糖尿病網膜症
  3. 増殖糖尿病網膜症

治   療

  1. 網膜光凝固術
    網膜光凝固術にはレーザーが用いられ、通常は通院で行います。網膜光凝固術は主に網膜の酸素不足を解消し、新生血管の発生を予防したり、すでに出現してしまった新生血管を減らしたりすることを目的として行います。
  2. 硝子体内注射
    マキュエイドや抗VEGF薬による硝子体内注射にて、視力低下に直接起因する黄斑浮腫を改善させます。継続的に投与が必要な場合もあります。硝子体内注射の詳細
  3. 硝子体手術
    レーザー治療で網膜症の進行を予防できなかった場合や、すでに網膜症が進行して網膜剥離や硝子体出血が起こった場合に対して行われる治療です。硝子体手術の詳細

網膜剥離(もうまくはくり)

網膜剥離は、治療せずに放置した場合、失明する可能性の高い病気です。どの年齢でも網膜剥離になる可能性がありまずが、20歳代と50歳代の人に多いといわれています。網膜剥離の治療の中心は手術療法です。手術により、最終的には約95%の確率で網膜を元の位置に戻してやること(網膜復位)が可能です。網膜剥離とは、何らかの原因で網膜が網膜色素上皮から剥がれてしまう状態のことです。網膜に孔(あな)が開くことによって起こるものや、滲出液という水分が網膜の下に溜まって起こるものなど原因は様々です。最も多いのは、網膜に孔(網膜裂孔)が開いてしまい、眼の中にある水(液化硝子体)がその孔を通って網膜の下に入り込むことで発生する網膜剥離(裂孔原性網膜剥離)です。

症   状

網膜剥離の前駆症状として飛蚊症(小さなゴミのようなものが見える症状)や光視症(視界の中に閃光のようなものが見える症状)を自覚することがありますが、無症状のこともあります。

治   療

網膜裂孔だけであれば、レーザー治療で網膜剥離への進行が抑えられることもあります。
すでに網膜剥離が発生してしまった場合、多くは手術が必要となります。小切開硝子体手術の詳細

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)

加齢黄斑変性は、主に高齢者の失明原因となる重要な病気の一つです。健診でこの病気が早期に発見されることもあります。
今まではあまり有効な治療法はありませんでしたが、近年、新しい方法が試みられるようになり、早期発見・早期治療によって視力低下を最小限に抑えられる可能性が期待できるようになってきました。

黄斑とは、光を感じる神経の膜(網膜)の中央にある、物を見るために最も敏感な部分です。
網膜の中でひときわ黄色く観察されるため、昔から黄斑と呼ばれてきました。脈絡膜は網膜よりさらに外側に位置しており、血管が豊富に存在し、網膜の一部を栄養する役割を担っています。

黄斑が荒廃する(変性を起こす)病気です。脈絡膜から異常な血管(新生血管)が生えてくることが原因で起こる滲出型と、新生血管が関与せずに黄斑そのものが変性してくる非滲出型の二つのタイプがあります。滲出型は急激な視力低下を起こし、失明原因となる難治性の病気の一つです。非滲出型の場合、病状の進行は緩やかで、滲出型と比較すると視力低下の程度も軽度であることがほとんどです。加齢黄斑変性は、通常滲出型を指すことが多いので、滲出型について解説します。

症   状

初期はものがゆがんで見える変視症や左右の眼でものの大きさが違って見えるなどの症状を自覚する場合が多いのですが、新生血管が破裂して黄斑に出血を起こすと、突然の視力低下、特に中心が見えにくいという症状が出現します。

検   査

加齢黄斑変性を診断および治療を考える上で様々な検査を要しますが、最も有意義な検査はOCTと言われる光干渉断層計です。網膜は層構造になっており、その層構造を断面的に観察する検査で滲出や新生血管の状態が詳細に分かります。体への侵襲がなく短時間で測定できるため初診時でも診断が可能です。

治   療

  • 抗VEGF薬治療
    VEGFのはたらきを抑えるお薬を目に注射します。新生血管の成長を抑え、そこからの滲出液や出血を止めることにより症状を改善します。当院ではルセンティスおよびアイリーヤという最新の薬剤を使用しており共に保険適応となっております。抗VEGF薬治療の詳細
  • 光線力学的療法(PDT)
    光に反応するお薬を腕の静脈から投与し、弱いレーザーを照射して、新生血管を閉塞させます。
    専門病院での入院が必要となります。
  • レーザー治療
    レーザーは上2つの治療と異なり、黄斑の中心から離れたところに新生血管があるときに行える治療です。
    レーザー光線を新生血管のあるところに照射しその成長を止めることができます。
日本眼科学会「目の病気」より抜粋