緑内障は、目薬での治療が一般的ですが、フルに使用しても眼圧が下がらず視野が進行してしまう場合、
または、目薬の本数を減らしたい場合に選択肢となる、新しい、安全な緑内障治療が登場しておりますのでご紹介致します。

レーザー緑内障治療

SLT

SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)は、光凝固装置を用いたレーザー線維柱帯形成術と比較し、線維柱帯へ送出されるエネルギー量が圧倒的に低く、低侵襲且つ合併症の少ない眼圧下降治療として認知されています。

効果が期待できる状態

  • 原発開放隅角緑内障
  • 高眼圧症・落屑緑内障
  • 色素緑内障
  • ステロイド緑内障
  • 点眼治療の効果が不十分な場合の追加治療
  • 点眼治療に支障のある場合
  • 副作用等で点眼治療が継続できない場合
  • 手術の同意が得られない場合
白内障同時手術

iStent

iStent(アイステント)とは

iStentは緑内障を治療するために使われる医療機器で、下のような構造をしています。
チタンという材質でできており、長さは1mm、重さは60㎍(0.00006g)と極小のデバイスです。
このiStent(アイステント)を眼の中の組織に埋め込むことで、房水(ぼうすい)と言われる眼圧を調整する液体の眼の中での循環を改善し、眼圧を下げる働きがあります。あくまで自然な房水排出を促すのみのため目に優しい手術と言えます。

iStentの実際

手術は白内障手術と同時に行います。白内障手術の際に作成した切開創から専用の器具を用い清潔な状態でこのiStentを角膜と虹彩のつなぎ目にあたる線維柱帯という場所に埋め込みます。
新たに切開を追加する必要はありませんので、安全性に関しては白内障手術と同等という結果がFDAの臨床治験データで報告されています。

iStentの効果

白内障手術と同時に行うため、視機能の改善と眼圧の改善が同時に期待できます。また、手術後に眼圧が下がることで、緑内障治療用の点眼薬の数を減らす、またはなくすことも期待できます。点眼に伴う充血や眼瞼炎など合併症に悩まされていた方にも朗報となるかもしれません。

低侵襲緑内障手術

Express

このデバイスは、薬物治療やレーザー治療などの治療法では
十分な眼圧下降が得られない患者さんへ、
新たな治療の選択肢をもたらします。
 

緑内障の治療法の1つとして、眼圧を低下させるために眼内の房水を
眼外に流出させる手術がありますが、
この手術において「アルコン エクスプレス™ 緑内障フィルトレーションデバイス」は、
デバイスそのものが房水流出経路の役割を果たす管として機能します。

また、従来の線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)と比較して
下記のような利点が報告されています。

  • より簡便に房水流出経路を作成でき、規格化されたデバイスにより、一定量の房水の流出が予測可能である。
  • 線維柱帯切除術と同等の眼圧下降効果を示す。
  • 低侵襲で炎症を発症する可能性が低く、また、術後の合併症が線維柱帯切除術と比較して少ない。
  • 術中の眼圧変動が小さく、手術時間を短縮できる。
  • 術後の眼圧をコントロールする薬剤数を減少できる。
  • 創傷部位の回復、および術後視カの回復が線維柱帯切除術と比較して早い。